2020/02/11

香港人事管理・ここがポイント(採用編)「中途採用」

 

ポイント① 採用編

その3. 「中途採用」

 

☆P商事(香港)営業所の山田営業部長は、採用面接を前にポイントさんのアドバイスを受け候補者の履歴書を読み始めました。今度こそは、長く働いてもらえる人材を採用したいところですが・・・ポイントさんのアドバイスが今日も続きます。

 

山田部長 ポイントさん、履歴書を読み込めっていうから、何人分も読んでみましたが、読めば読むほど自信喪失ですよ。
ポイントさん 自信喪失?
山田部長 長く働いてくれる人を見つけたいって言ったでしょ。でも、ここではこの望みは叶えられないんじゃないかって思います。ここの人たちの頻繁な転職歴には本当に驚かされます!
ポイントさん それは、仕方ありません。
山田部長 あれ?仕方ないで終わっちゃいましたね。
ポイントさん すみません。でも、ここの転職は、仕事に対する熱意を表すものではないので。
山田部長 ???
ポイントさん 中小企業が多い香港では、採用は中途採用が基本です。新卒の採用は、限られた大手企業しか行っていません。また、社員教育や研修、人事異動によるジョブディベロップメントを実施している会社は一握りです。
山田部長 そういえばそうですね。ウチの会社も、新卒採用はほとんど見かけませんね。即戦力のある人材しか採用されないとなると、新卒は毎年大変だ!
ポイントさん 新卒が社会に出る夏の季節でも、特に景気が悪い年は大変です。1997年から2005年ごろまでは、厳しい状況が続いてきたと思います。文系大卒の初任給の平均がHK$6,000台というような年もありましたから。
山田部長 厳しいね。それじゃぁ新卒はどうするの?
ポイントさん 社会経験を積むためには、どうしても最初の数年間は我慢して、就職することになります。給与や仕事の中身、会社の将来性についても贅沢言わずに、採用してくれるという会社があったら、一旦勤めてみるのです。そして数年はそこで勤務経験を積んでから、次の数年を考える…
山田部長 ああ、そうだ。僕が読んだ履歴書、そのとおりでしたよ。誰も彼もが最初の頃の転職頻度が高い。
ポイントさん そうでしょう。
山田部長 日本では、最初は新人研修。その後、配属先でOJT研修、また、他の部署に異動し、経験も広く積んでいける。今から考えると数年間は勉強させてもらったなあ。
ポイントさん 恵まれていらっしゃいますね。ここでは、日本の企業で人事部があれこれアレンジしてくれることを、自分自身が『転職』という手段で研修をアレンジしているようなものです。
山田部長 それじゃ、このころの頻繁な転職っていうのは、普通、いや望ましいということ?
ポイントさん より多くの経験を違った環境で積んでいると理解できると思います。
山田部長 でも、いつまでも、繰り返していてもねぇ。
ポイントさん そこです!20代後半から30代前半で落ち着いてこられるかという、その後の履歴が大切です。
山田部長 でも、1社で少なくとも3年ぐらい経験を積まないと、分からないことも多いと思うよ。
ポイントさん そのとおりです!社会に出て何社目から目標を定められたキャリアディベロップメント即ち『転職』をしてきたかチェックすることです!
山田部長 そういうことか!でも、いくら自分のキャリアのためでも、一社の経験年数は少なくとも“3年”は必要だと思うね。
ポイントさん 石の上にも3年ですね。
山田部長 “椅子の上にも3年”ですよ!ウチの会社は、オフィスの安全基準に適合した5本足の事務椅子を用意していま~す!3年でも5 年でもいて欲しい!!
ポイントさん 切実っ!!

 

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